参戦5戦目で初表彰台を獲得。ワドゥは女性初のポディウム登壇
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Result
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- 決勝グリッド
- 5番手
- 決勝
- 2位
公式練習ベストタイム | 1'30.449(ケイ・コッツォリーノ) |
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決勝ファステストラップ | 1'23.063/LAP67(リル・ワドゥ) |
Driver Rank | 10位(22points) |
Team Rank | 9位(37points) |
Information
日時 | 9月21日(土)・22日(日) |
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開催サーキット | スポーツランドSUGO(宮城県柴田郡村田町) |
天候 | 21日:雨/22日:雨のち曇り |
来場者数 | 24,900人(21日:8,900人/22日:16,000人) |
SUPER GT第5戦が台風の影響で延期になり、1か月半ぶりに開催された第6戦スポーツランドSUGO。PONOS RACINGは雨模様になった予選日から好調な走りを見せ、5番グリッドで決勝を迎えました。レースは一時トップを奪うも、惜しくも2位フィニッシュ。それでも参戦初年度にしてチ ーム初、ふたりのドライバーにとっても初の表彰台を獲得しました。さらにワドゥはSUPER GTでは女性ドライバーとして初めて表彰台に上がるなど、記録づくめの週末となりました。
悪天候で予選中止のなか 練習走行の5番手タイムが 決勝レースのグリッドに
第6戦の舞台となるスポーツランドSUGOは、PONOS RACINGにとっては初めて臨むコースでしたが、チームは7月に行われたテストにも参加しており、その際にはドライ、ウエットともに貴重なデータを得ていました。
ただ、予選日となった9月21日(土)は朝から秋雨前線の影響で雨模様。午後からは雨脚が強くなる天気予報もあり、前日の監督ミーティングの際には公式予選のキャンセル、公式練習のタイムを決勝レースのグリッドへ採用する可能性も示唆されていました。
チームはさまざまな可能性を検討しながら、午前9時 15分からの公式練習に臨みました。今シーズン初の本格的なウエットコンディションのなか、PONOS FERRARI 296はケイ・コッツォリーノからステアリングを握りコースインすると、6回もの赤旗中断が起きる荒れたセッションのなか、少しずつタイムを上げていきました。
コッツォリーノは公式予選に合っているであろうタイヤを温存しながらも、開始から53分ほどというタイミングで1分30秒449というベストタイムを記録。その後リル・ワドゥに交代し、最終的に公式練習を5番手で終えました。
午後の公式予選ではさらなる上位を目指したいところでしたが、予報どおり天候が回復せず、午後の予選はキャンセルとなりました。そのため、公式練習のタイムがグリッドに採用され、PONOS FERRARI 296は5番手から決勝を戦うことになりました。
チーム初の表彰台を獲得 雨を味方に序盤から快走し 終盤まで緊迫の首位争いを展開
雨模様となったSUGOの決勝レースは悪天候が考慮されて約1時間遅れのセーフティカー(SC)先導で始まりました。 5番手の好位置からスタートすることとなったPONOS FERRARI 296は、4周目の実質的なスタート直後から圧巻の速さを見せました。
前半スティントを担当したコッツォリーノは早々に4番手にひとつ順位を上げ、勢いそのままに3番手、2番手のライバルを攻略。そして15周目にはポールシッターの20号車GR86をかわして首位を奪いました。その後もハイペースで飛ばすコッツォリーノは後続とのタイム差を11秒に広げるも、SC導入でそれまでのマージンがリセットに。レース再開後も2番手の7号車BMWを従えながら3番手以下 に11秒のリードを築きましたが、再び2度目のSC導入でまたもリードが帳消しになってしまう展開となりました。
トップを守ったまま41周目のピットインでワドゥに交代したPONOS FERRARI 296は、新たに2番手となった65号車メルセデスとトップを争う一騎討ち状態になりました。プレッシャーのかかる難しい状況の中、ワドゥはそこから20周以上、トップ2台によるテール・トゥ・ノーズの接近戦を展開しましたが、残り約10周となったレース終盤、ストレ ートで背後に付かれた65号車にトップを奪われ、逆転を許すことに。それでも2位でチェッカーを受け、チーム、そしてふたりのドライバーの初表彰台を獲得しました。ワドゥは2005年からのスーパーGTで女性ドライバー初という表彰台に立ち、コッツォリーノとともにJ SPORTSベストパフォーマンス賞を受賞しました。
Voice
ケイ・コッツォリーノ
スーパーGTキャリアのなかで一番気持ちいい走りができました。僕らが装着するミシュランタイヤは雨で究極の武器になるので、『やっとこの時が来た』と思っていました。僕のスティントではとにかく後続とギ ャップを築くことを考えて走行し、後半のリルもよく耐えてくれました。正直、新規参戦チームなので今季から優勝争いができるとは思っていませんでしたが、まずは初表彰台を獲得することができました。この結 果は大きな一歩で、今回は優勝するために何が必要で、 何が足りないかということが明確になりました。次戦のオートポリスはテクニカルなコースなのでクルマも合っているはずですし、気温が低くなるのでドライでも十分、期待できるのではないでしょうか。
リル・ワドゥ
今季の始めからドライでは厳しい戦いを強いられていたけれど、ウエットではタイヤのマッチングが良いことも分かっていた。ただ、今回はレースが進むにつれ て路面が乾いていく状況でライバルも速さを取り戻してきたから、自分のスティントは簡単ではなかった。 セーフティカーの速度域でニュータイヤを温めることが大変だったけど『必ず表彰台を守る!』という気持ちで、もう必死でドライブしていた。結果としては追い 抜かれてしまったけど、チームにとって価値のある初表彰台になったと思う。SUGOは昔ながらのコースだから大変だけど、レイアウトは嫌いではない。次戦のオートポリスは初めて走るけど、映像やシミュレーターで勉強中なので次回以降も優勝を目指していきたい。
チーム総監督 辻子依旦
初表彰台は嬉しいですけど、稼いだリードがセーフティカーでなくなってしまいました。その部分は『これもレース』という感じで少し悔しいですね。ドライバーはふたりとも100点満点の走りをみせてくれました。特に後半のワドゥ選手は20周以上トップ争いを繰り広げ、レースの見どころを作ってくれました。次戦はテクニカルなオートポリスでのレースなので事前準備をしっかりと行い、少しでもポイントを稼ぐために上位を狙いたいです。
チーム監督 小河原宏一
初表彰台を獲得することができて良かったですし、やっと楽しくレースをすることができた気がします。レース前半のコンディションではミシュランタイヤの良い部分が出たこともありますが、やはりコッツォリーノ選手は上手ですね。ピットインのタイミングもうまく決まり、最後はワドゥ選手が頑張ってくれました。次戦のオートポリスはワドゥ選手にとって初めてのコースになりますけど、表彰台を獲得できたので次も優勝を狙っていきたいと思います。